当科の金村らの論文
Kanemura H, Hatakeyama K, Sugita K, Aihara M. Epilepsy in a patient with focal dermal hypoplasia」が、 小児神経の専門雑誌である「Pediatric Neurology」の2011年2月号に掲載されました (Pediatric Neurology 2011; 44(2): 135-138.)


Focal dermal hypoplasiaはGoltz症候群とも呼ばれ、皮膚の萎縮、毛細血管拡張、線状の色素沈着、 限局性の皮膚表面の脂肪沈着、四肢の骨格異常などを臨床的特徴とする中胚葉性および外胚葉性異常を呈する症候群です。 これまでに報告されているのは世界で250例あまりというまれな疾患です。 本疾患は多彩な症状を呈し、中枢神経系においてはChiari奇形や軽度の精神発達遅滞が確認されていますが、 教科書的にはけいれん性疾患の合併はないとされてきました。 この論文では、特徴的な皮膚所見などからFocal dermal hypoplasiaと診断した1例において、 難治てんかんおよび重度の精神運動発達遅滞を呈し、頭部MRIで小脳の皮質形成異常が認められたことを世界ではじめて報告しました。 したがってFocal dermal hypoplasiaではてんかんの合併も念頭におくとともに、病状の評価において頭部MRIの検索が有用であることが示唆されました。

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