当科の金村らの論文
Duration of recognized fever in febrile seizure predicts later development of epilepsy.  Kanemura H, Sano F, Mizorogi S, Aoyagi K, Sugita K, Aihara M」が、 が日本小児科学会の英文誌である「Pediatrics International」の2012年8月号に掲載されました (Pediatrics International 54: 520-523, 2012)


熱性けいれんの大部分は予後良好ですが、一部で後にてんかんを発症することがあります。熱性けいれんは、通常(1)生後6ヵ月から5歳頃までに、(2)38℃以上の発熱にともない、(3)全身性のけいれんで、(4)発作の持続時間は15分以内(多くは数分以内)、といった特徴があり、これらの特徴を全て備えた熱性けいれんを単純型、これらの特徴を満たさない熱性けいれんを複合型と分類しています。後にてんかんへと進展する症例は複合型に多くみられますが、単純型でも時にみられます。しかし、単純型の熱性けいれんにおけるてんかん進展のリスク要因は明らかではありません。一方、熱性けいれん発作時における発熱経過時間とその後のてんかん発症に関しては十分に検討されていません。そこで本研究では、単純型の熱性けいれんにおけるてんかん発症の要因について、発熱から熱性けいれん発症までの時間に着目して検討しました。その結果、発熱から発作までの時間が長い場合と、逆に発作時ないしそれ以降に発熱を認める場合において、てんかん発症のリスクが高まることが示されました。

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