当科の金村らの論文
Pseudonormalization on diffusion-weighted MR imaging is ominous sign in Leigh syndrome.  Kanemura H, Nakamura K, Sugita K, Aihara M」が小児神経画像学の専門誌である「Journal of Pediatric Neuroradiology」の創刊号に掲載されました (Journal of Pediatric Neuroradiology 1: 59-63, 2012)


Leigh症候群(Leigh脳症)は進行性の中枢神経疾患であり、数年の経過で死に至ります。本症候群の診断は脳の病理所見をもってなされてきましたが、近年は画像検査の進歩によって生前に診断される症例が増加しています。一方、MRI(核磁気共鳴画像法)の拡散強調画像は、磁場による水分子の拡散運動を評価する検査方法で、様々な中枢神経病変の活動性を反映するため、Leigh症候群の診断に広く用いられています。しかし本検査では、一般に病変が急性期の拡散低下から慢性期の拡散亢進へと移行する過程で、見かけ上正常化(pseudonormalization)する時期があることが知られています。そこで本研究では、Leigh症候群の経過中にも、このような現象が観察されるかどうか検討しました。その結果、臨床的に急性期から慢性期へと移行して症状が進行しているタイミングのMRIの拡散強調画像において、病変部の信号強度が一時的に正常化することが確認されました。したがってLeigh症候群が疑われる症例のMRI検査においては、MRIの拡散強調画像が正常であっても、経時的に再評価する必要があることが示されました。

前のページへ戻る


研究業績へ戻る