当科の金村らの論文
「Do sequential EEG changes predict atypical clinical features in rolandic epilepsy?
Kanemura H, Sano F, Aoyagi K, Sugita K, Aihara M」が小児発達神経学の専門誌である「Developmental Medicine & Child Neurology」の2012年10月号に掲載されました
(Developmental Medicine & Child Neurology 54: 912-917, 2012)。
脳波検査において中心側頭部に棘波の出現を認める小児てんかんは、小児期のてんかんの中で最も多く、通常は抗てんかん薬によるコントロールが良好で、成長に伴って発作が消失します。その一方で、一部に発作のコントロールが困難で、認知機能や行動面に影響が及び日常生活に支障をきたすような難治例も存在することがわかってきました。こうした難治例を早期に判別して、十分な治療介入を発症初期から行うことは極めて重要ですが、難治化を予測する臨床的な要因については不明です。そこで本研究では、脳波所見に着目して難治例の予測因子を検討しました。その結果、難治例では予後良好例に比べて有意に側頭部棘波の出現頻度が高く持続期間が長いことがわかりました。さらに、前頭部に発作の焦点を認める期間も有意に長いことが判明しました。したがって、このような脳波所見を認めた場合には、早期から十分な治療を行うことによって長期的な予後が改善すると期待されます
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