三橋弘宗さんによる特別授業「森から川への贈り物」
2010年10月22日に、院内学級で兵庫県立人と自然の博物館の三橋弘宗さんによる
特別授業が行われました。三橋さんは兵庫県立大学の講師としても活躍され、
環境と生物との関係、特に森林が河川の生態系に及ぼす影響について幅広く研究されています。
三橋さんは樹脂の中に昆虫や魚類を封じ込めた130点あまりの封入標本を持って来て下さって、
教室はすっかり博物館の展示室です。入り口には「お部屋で川虫を調べませんか?」
の大きなノボリも掲げられました。授業では、まず源流から河口までのスライド写真を見て、
子ども達が川と森の密接な関係に気が付きます。
「川に落ちた葉っぱはどうなるんだろう?」という三橋さんの問いかけに、子ども達は考え込みます。
答えは、川に落ちた葉の封入標本にありました。標本をよく見ると、
たくさんの川虫が葉を食べていることに気が付きます。
この川虫をヤゴが食べて、羽化した川虫の成虫をクモやカエルそして鳥が食べる。
河口付近に流れ着いた川虫の糞は貝やゴカイの餌になり、それを海の魚達が食べている・・・。
こうして、川から海までの生き物が、実は森の葉っぱによって育まれていることを、
たくさんの標本を見ながら勉強しました。
川の周りの森が失われたら何が起るのか・・・子ども達は自分で答えを導くことができました。
授業の後には、みんな自分のお気に入りの封入標本を選び、手に取って上から下から頭からと
じっくり観察した後に、顕微鏡でも見せてもらいました。
拡大された川虫やカニは、封入標本のなかで頭部の細かなヒゲまで生きたままに保たれています。
その姿が面白くて、次々に標本を選んでは顕微鏡で見せてもらい写真に写してプリントしていただくと、
みんな大切な宝物のように写真カードを持ち帰りました。
授業をお手伝いして下さった博物館のボランティア・スタッフである清水文美さん、
どうもありがとうございました。
この特別授業は、花王・コミュニティミュージアムプログラム2009の助成で行われたものです
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