中澤眞平学術賞が創設されました
2012 年7 月に亡くなられた中澤眞平 前教授(教授在任1992-2007 年)は、東京小児がん研究
グループ(TCCSG)において黎明期からメンバーとして活躍され、国内ではいち早く白血病細
胞の表面抗原解析を始められて、TCCSG における白血病の臨床研究が国際的に評価される礎を
築かれました。1997 年から2003 年にはTCCSG の会長を務められて、大学や病院の枠を超え
たグループ内の自由な雰囲気と若手が組織の活力となる流れを打ち出し、TCCSG における活動
の方向性を明確にされました。
この中澤眞平先生のご遺志を継ぎTCCSG のメンバーの研究意欲を高めてTCCSG のさらなる
発展を目指して、2014 年に中澤眞平学術賞が創設されました。第2 回の中澤眞平学術賞は
Kato M, Koh K, Manabe A, Saito T, Hasegawa D, Isoyama K, Kinoshita A, Maeda M, Okimoto Y, Kajiwara M, Kaneko T, Sugita K, Kikuchi A, Tsuchida M, Ohara A: No impact of high-dose cytarabine and asparaginase as early intensification with intermediate-risk paediatric acute lymphoblastic leukemia: result of randomized trial TCCSG study L99-15. Br J Haematol. 2014 Feb;164(3):376-83
が選ばれて、筆頭著者である東京大学小児科の加藤元博先生が受賞されました。
杉田完爾教授・小原明TCCSG会長・加藤元博先生・中澤眞平先生奥様
2015年5月17日TCCSG総会(聖路加国際病院)における表彰式
今回の加藤先生の論文は、TCCSG で行われた臨床研究において大量化学療法を組み入れた強化
療法の治療成績が、従来の標準的な強化療法の治療成績と同等であったことから、患者さんに
とって身体的な負担が重くなる可能性のある大量化学療法を敢えて行う利点の乏しいことを明
らかにしたもので、イギリスの血液学の専門誌に掲載されたものです。本臨床研究は、中澤眞
平先生がTCCSG の会長在任中に実施されたもので、長期の経過観察の後に加藤先生によって
その成果の1 つが世に出されたことになります。
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