中澤眞平学術賞が創設されました

 2012年7月に亡くなられた中澤眞平 前教授(教授在任1992-2007年)は、東京小児がん研究グループ(TCCSG)において黎明期からメンバーとして活躍され、国内ではいち早く白血病細胞の表面抗原解析を始められて、TCCSGにおける白血病の臨床研究が国際的に評価される礎を築かれました。1997年から2003年にはTCCSGの会長を務められて、大学や病院の枠を超えたグループ内の自由な雰囲気と若手が組織の活力となる流れを打ち出し、TCCSGにおける活動の方向性を明確にされました。

 このたび、教室員の中澤眞平先生への思いを奥様はじめご家族が受け容れて下さり基金が設立され、奥様からも多額のご寄付を頂いて中澤眞平学術賞が創設されました。この学術賞は、TCCSGから欧文誌に発表された学術論文の中から毎年1編を顕彰することによって、TCCSGのメンバーの研究意欲を高めてTCCSGのさらなる発展を目指すものです。

 記念すべき第1回の中澤眞平学術賞は、6編の論文の中から
Kiyokawa N, Iijima K, Tomita O, Miharu M, Hasegawa D, Kobayashi K, Okita H, Kajiwara M, Shimada H, Inukai T, Makimoto A, Fukushima T, Nanmoku T, Koh K, Manabe A, Kikuchi A, Sugita K, Fujimoto J, Hayashi Y, Ohara A:Significance of CD66c expression in childhood acute lymphoblastic leukemia. Leukemia Research 38:42-48, 2014
が選ばれて、筆頭著者である国立成育医療研究センター小児血液・腫瘍研究部の清河信敬先生が受賞されました。

在りし日の中澤眞平先生のお姿を前に
小原明TCCSG会長・清河信敬先生・中澤眞平先生奥様
2014年5月25日TCCSG総会(聖路加国際病院)における表彰式

 今回の清河先生の研究は、中澤眞平先生ご自身も樹立に関わられたCD66c抗原に対するモノクロナール抗体を用いて、小児白血病におけるCD66c発現の臨床的な意義を明らかにしたもので、まさに第1回の中澤眞平学術賞にふさわしい内容でした。


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