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■1.山梨大学医学部小児科、研修体験記■

 


どうして小児科医になろうと思ったの?
−憧れの小児科の先生めざして−

平成13年度入局
K.H

 僕は2歳の頃から気管支喘息で入退院を繰り返し、かかりつけの小児科の先生には昼夜を問わずお世話になっていました。そんなわけで小学校に入った頃からその主治医の先生に憧れて小児科医を目指すようになりました。医大に入学してから他科と迷った時期もありましたが、結局は自分がそうだった様に「先生のような小児科医になりたい」といってくれる子供が1人でも現れてくれたらいいなと思い小児科に入局することを決めました。ふと気がつくともう6年目、その間にはたくさんの患者さんとその家族に出会いました。その1人1人が僕の小児科医としての幅を広げてくれているのだと思います。(入局してから体重が10kgも増え、本当に横幅が広くなってしまいました)最近では、少しではありますが「勝又先生に診てもらいたい」と指名してくれる子がいます。そんな中から20年、30年後に僕に憧れて小児科医になったという人が現れて一緒に仕事をすることが僕の夢です。



小児科ってどんな仕事をするの? −うちのこどもは僕の先生−

小児科医の仕事というと特に一般病院や個人病院では、病気の子供たちを診察し治療するのはもちろんですが、健康な子供たちが少しでも病気にかからないように、そして元気に成長できるようにサポートすることが治療と同じくらい重要な仕事だと僕は考えています。生まれたばかりの赤ちゃんが、少しずつ成長していくさまを、乳児検診を通じてお母さんと一緒に見守り、もし異常があれば早期に発見し対応する。そして、予防接種などの保健指導を通じて、子供たちを病気や事故から守っていく。派手な仕事ではないけれど、1人1人の子供の成長を見届けることは、どんな教科書よりもいろんなことを教えてくれます。正常な子供の発達がわからないと、病気のことはわかりません。まさに小児科医の基本中の基本だと思います。「小児科の外来に病気の子供が1人も来ないで、予防接種と乳児検診、育児相談だけで一日が終わる」これが究極の小児科の形なんて思うこともあります。……えらそうなこと書いてしまいましたがちょっと前までは育児相談は一番の苦手分野でした。だって教科書見てもお母さんにどう伝えればいいかなんて書いてないし、正常と異常の境界線って微妙だし……そんなときに僕を助けてくれたのが娘の誕生でした。親としての目線で子供の成長を見られるということは、小児科医にとって貴重な経験であり、大きな財産だと思います。(最近は我が子の成長に対する感動が薄いと妻に怒られますが)今では親御さんの些細な不安にも少しは親身になって答えられるようになったと思います。自宅での育児の経験が役立つ職業なんてそうはないですよね。実際に出産やら授乳やらを経験する女性にとってはもっと大きなメリットになるのでしょうね。

小児科って忙しいの? −未来のあるこどもたちのために−

この5年間で大学病院での研修を皮切りに富士吉田、韮崎、都留の各市立病院で小児科の一般臨床を学び、県立中央病院のNICUでは600g位で生まれた小さな命と向き合いながら特殊な医療も経験させていただきました。どこの病院でも先輩の先生方は丁寧に指導してくださり、おかげさまで去年の冬には小児科認定医の資格を取ることができました。今年の冬には小児科専門医、それが取れればさらに専門分野へ…まだまだ勉強の毎日です。新生児から成人期までの発達変化という縦の多様性と、悪性腫瘍からこころの問題といった横の多様性、小児科医の対応する病態、疾患はとても広範囲です。子供は訴えが正確ではないし、大人では簡単な処置の1つ1つが難しいのは事実です。子供は夜間に熱を出すことも多く、救急外来を受診する割合も他科と比べてとても高いです。でもまさにそこが小児科医の専門性であり、やりがいのある部分だと思います。確かに体力的にきついこともあります。でも「ありがとう」「先生のおかげで良くなりました」こんな言葉や子供たちの笑顔を見ていると(自己満足ではありますが)疲れなんて吹き飛んでしまいます。未来のあるこどもたちのために、ぜひ小児科に入局してください。そして一緒に成長していきましょう。

(平成18年7月・入局5年目・記)


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