私は現在大学院に所属しながら、おもに小児呼吸器の分野を担当しています。小児呼吸器の分野は多岐にわたりますが、当科では気管支喘息から気管喉頭軟化症・狭窄症、のう胞性肺疾患に至るまで幅広く対応し、また大学病院の特性から心臓や血液、神経の疾患などに合併したさまざまな呼吸器症状の診断治療にも取り組んでいます。
私の場合は当ホームページの「後期小児科研修プログラム」でいうと「専門医コース」ということになります。大学の小児科で1年間の研修を終えたあと、救急医療や外科など幅広く学びたかった私は迷わずこちらのコースを選択しました。2年目は山梨赤十字病院で一般小児科を、3年目は山梨大学救急部で救急医学について学びました。そして4−5年目は当時の関連病院だった福島県の会津中央病院で、小児科以外にも外科系疾患も学びました。そして当時の先生方とは今でも家族ぐるみでお付き合いさせていただいています。6年目は山梨厚生病院で一般小児科診療に従事し、7年目には山梨県立中央病院のNICUで新生児科医として勤務し、ここで気管支ファイバーと出会いました。8年目には千葉県のみつわ台総合病院に勤務しましたが、気管支ファイバーについてもっと勉強したいと考えていたところ、当時の中澤教授の計らいで週に一回、国立成育医療センターの呼吸器科に勉強に行くチャンスを得ました。研修では川崎一輝先生をはじめ呼吸器科の先生方が親身になってご指導くださり、この1年間は私にとって貴重な財産となりました。今でも判断に迷うような症例は相談に乗っていただいています。
9年目から大学院生として研究の傍ら呼吸器の分野を担当し、気管支・喉頭ファイバー検査を年間に100件弱行なっていますが、これは国内の小児科施設の中でもかなり多いほうだと自負しています。また、関連病院からコンサルトがあれば、気管支ファイバーを携えて出張診察もしていて、毎日が大変に充実しています。小児の呼吸器分野の専門家は全国的にもまだ限られていますので、この分野の開拓者として、ともに創造していく仲間を待っています。
(平成19年11月・入局10年目・記)
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