私は平成4年に山梨大学医学部を卒業し、実家に近い東京都内の大学病院の小児科に入局して2年間の研修を行ないましたが、結婚を機に再び山梨に戻り、平成6年10月に本大学小児科に入局しました。出産前は常勤で働いていましたが、二人の息子を出産後は、レジデントや非常勤勤務などをしていました。
平成18年9月から、加納岩総合病院小児科で、やはり子育て中の女性医師と二人でワーク・シェア形式で仕事をしています。実際の仕事内容は、月曜から土曜の小児科外来と健診・予防接種を二人で分担し、他に週1回研究日として大学に行き専門外来を担当しているので、日曜日以外に週2日間休みがあります。また、入院が必要なお子さんは、近くの山梨厚生病院に紹介しているので、当院小児科としての夜間・休日のオンコールはありません。その代わり、月に3回、山梨厚生病院小児科の夜間オンコールを担当し、2ヶ月に1回ですが加納岩病院での休日救急当番を担当しています。家庭の都合、その他学会等の用事があれば、適宜相談してお互いの外来日を調整しています。
ワーク・シェアを始めてみてのメリットとしては、子供の行事への参加、習い事の送迎など、家族のために使う時間が確保できる事、二人で一緒に患者さんをフォローしているという安心感、また、非常勤で働いていた頃に比べ、責任を持って働いている充実感も味わえる事などが挙げられます。また、毎日ノートに申し送り事項を記入し、お互いの連絡を密にする事でうまく連携がとれているのではないかと思います。
結婚出産は仕事を続けるうえで想像以上に負担ではありましたが、自分で子供を産み育てる経験をする事は女性にしか出来ない事であり、特に小児科医としては、お子さんを連れて来るお母さんと同じ目線で、より実際的な指導をすることができる強みも、多少なりともあるのではないかと思います。
子育てのことを考え、進路を悩んでいる女性も多いかと思いますが、今後私達と同じようなワーク・シェア形式の職場を増やし、一緒に励ましあいながら仕事を続けていけたらと思いますので、何かあればいつでもご相談下さい。
(平成19年7月・記)
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