血液班2008年度活動報告


犬 飼 岳 史

2008年度は、非血縁者間臍帯血移植を1件と非血縁者間骨髄移植を2件行って移植は累計で86件に、骨髄バンク・ドナーの骨髄採取は6件を行って累計で49件になりました。研究面では、黒田が大学院を修了し古市が学位論文を提出して、学位を授与されました。特筆すべきこととしては、F先生の学位論文になったCancer Research誌の掲載論文が、第50回日本小児血液学会において、栄えある 第一回日本小児血液学会賞の研究部門を受賞 しました。
しかし、論文発表は低調で最近3年間では最少でした。各自が忙しい中でがんばっているとは思いますが、未だにJournalに掲載されるに至っていない学位論文も多く、もう一度情熱を持って立ち向かう必要があります。また、学会発表だけで雑誌に掲載されていない症例報告が山積しています。症例から学んだことを社会に還元することの意義は言うまでもありませんが、ベッドサイドでの頑張りと学会発表の準備に費やした努力を、活字に変えて形に残すことの重要性を強調したいと思います。2009年度の残りの期間は、とことん「仕上げる!」ということにこだわっていければと思います。

【原著論文】

【症例報告】

【総説・著書】

【講演】

   1)杉田完爾. MLL遺伝子再構成陽性ALLにおけるFLT3/FLシステム.第5回北関東小児がんセミナー, 教育講演, 平成20年5月10日, キリンファーマ探索研究所, 高崎

   2)犬飼岳史. 白血病とたたかう. 楽問楽学講座, 平成20年6月4日, 山梨県立吉田高校, 富士吉田

   3)犬飼岳史. 白血病とたたかう. 出張講義, 平成20年6月18日, 静岡理工科大学付属星陵高校, 富士宮

   4)杉田完爾. 小児血液疾患の基礎, 第1回研修医(初期・後期)のための血液学セミナー. 平成20年7月11-13日, 大磯プリンスホテル, 大磯町

   5)杉田完爾. MLL遺伝子再構成陽性ALL:FLT3/FLシステムと細胞傷害分子感受性.第6回小児白血病カンファレンスin OKAYAMA, 特別講演, 平成20年8月2日, アークホテル岡山, 岡山

   6)杉田完爾. MLL遺伝子再構成陽性ALLの難治メカニズム:FLT3/FLシステムと細胞傷害分子抵抗性.第53回東北小児白血病研究会, 平成20年10月4日, アキタスカイホテル, 秋田

   7)犬飼岳史. 17:19転座型急性リンパ性白血病 - E2A-HLF融合転写因子の標的遺伝子の同定と解析.  遺伝子医療研究部セミナー  平成20年10月24日, 愛知県がんセンター研究所 名古屋

   8)犬飼岳史. 白血病とたたかう. ミニ大学, 平成20年11月7日, 山梨県立甲府東高校 甲府

   9)杉田完爾. 小児難治性白血病への分子生物学的アプローチ.第80回埼玉県小児血液同好会、特別講演、平成20年11月27日、パレスホテル大宮、大宮

【各種助成金報告】

   1)犬飼岳史, 廣瀬衣子, 黒田格. 小児白血病に対する移植片対白血病効果における細胞傷害因子の意義 - TRAIL療法の臨床応用に向けた基礎的研究. (財)母子健康協会, 第20回小児医学助成研究報告書

【受賞】

   1)古市嘉行.第1回日本小児血液学会賞 研究部門. Fms-like tyrosine kinase 3 ligand stimulation induces MLL-rearranged leukemia cells into quiescence resistant to antileukemic agents.

(本稿は、2009年度同窓会誌に収録した内容を一部編集して掲載しました。)


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