研修について
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山梨大学小児科 後期研修プログラムについて
小児科医は子どもたちの総合医です
山梨大学の小児科専攻医研修では、子どもの多様な疾患を数多く経験し、子どもたちの総合医となることを後押しするプログラムを目指しています。具体的には、大学における専門的な高度医療と、地域中核病院における一般小児科診療をバランス良く経験できる体制をベースにして、みなさんの多様なニーズにも応えられるプログラムを整えています。
特色のある4つのプログラム
山梨大学の後期研修プログラムでは、あなたが志す小児科医としての姿を確実に実現できるよう、4つのプログラムを用意しています。いずれも大学病院を基幹病院としており、特色ある地域中核病院で多様な研修を行うことができます。
小児科重点コースと大学院/ライフスタイルコース
前期研修において小児科重点コースを選択すれば、前倒しで3か月~半年の小児科研修が可能になります。小児科重点コースでは、一定期間を地域中核病院において一般小児科の研修を行うこともできます。また、後期研修の早期にサブスペシャリティー及び大学院などの研究に移行することが出来ます。小児科医を目指すことが明確な方には、おすすめのコースです。
ポートフォリオ研修
複数の施設において一貫性のある研修を進めるためのシステムとして、ポートフォリオを活用しています。小児科学会の専攻医研修に準拠していますので、一定期間を県外のこども病院で研修を行う場合にも円滑に研修ができます。クラウド上に、目標設定、省察、評価、証拠という4つのステップを自身で記録することによって、離れているチューターからのフィードバックも受けられます。記録とフィードバックを繰り返していくことによって研修が深まります。
チューターシステム
各専攻医に小児科専門医のチューター2名がついて、各病院の指導医とも連携して研修終了までサポートします。年に4回の報告会を開き、face-to-faceで研修の進捗状況を確認しています。3年間の専門医研修に遅れや漏れがないように、サポートしています。
専門医取得後―サブスペシャリティーや研究への道
小児科専門医を取得した後には、サブスペシャリティー(血液、内分泌代謝、糖尿病、循環器、周産期・新生児学会、小児血液がん、造血細胞移植学会、臨床遺伝、小児循環器、てんかん、小児神経、腎臓病、アレルギーなど)の専門医を取得することができます。大学院で研究したい、臨床研修をもっと極めたい、国内外への留学研修をしたいなど、様々なニーズに対応します。
詳細は、下記の山梨大学小児科専門研修プログラムをご覧ください。
なお、公表されている専門研修プログラムは学会による一次審査を通過したものであり、機構による二次審査の結果、修正・変更がありうることをご承知おきください。サブスペシャリティ認定医・専門医については[研究班ページ]をご参照ください。
山梨大学の関連・連携施設
それぞれ特色のある関連・連携病院群で、経験豊かな小児科医とともに小児科医療に向き合うことで、柔軟で視野の広い小児科医としての成長を目指します。
山梨県立中央病院小児科
山梨県の中核病院
山梨県の中核病院であり、小児科は新規入院患者数、年間約700名で急性期疾患を中心に多くの症例を診療しています。5名の常勤医師と後期研修医1名で診療を行っています。小児心臓、神経・発達、内分泌、血液外来などの専門外来も行っており、小児科専門医として必要な考え方や技術を獲得できます。
山梨県立中央病院総合周産期母子医療センターNICU
県内の全ての極・超低出生体重児の医療を担う
病床数 36床(NICU 12床)、医師 6-7人(専修医 1人)、看護師 約40人、公認心理師 2人、NICU入院児支援コーディネーター、保育士がNICUの病児の発育に携わっています。県内の全ての極・超低出生体重児の医療を担っており、充実した研修が期待できます。
毎月定例の山梨周産期医療懇話会や新生児蘇生法普及事業など、急性期の医療だけでなく県全体の周産期医療に関する活動を行っています。
日本周産期専門医(新生児)資格が取得可能です。
富士吉田市立病院小児科
郡内地域の小児医療の中核病院
小児科の常勤医数は4人です。病的新生児の入院も含めた小児の一般診療全般の研修が可能です。地域への貢献として富士東部小児初期救急医療センターへの出務や、二次輪番当番、年間60回の地域の乳児健診の出務があります。院内児童虐待対応部会(Child Protection Team)を通して、児童相談所、市町村等との連携も頻繁に行われています。N-CPR、BLS、PALSインストラクターがおり、蘇生講習も定期開催しています。
山梨赤十字病院小児科
郡内地域の小児医療の中核病院
富士吉田市立病院と共に山梨県富士北麓地域の中核病院として機能しています。分娩数は山梨県最多で地域周産期を標榜しておりNICUも3床有しています。
常勤医は、現在専門医4名体制で、
専攻医はほぼ常に1名勤務しています。災害救護(DMAT)も経験可能です。富士東部小児初期救急センターへの出務、二次輪番病院としての当直業務を通じてCommon Diseaseに精通し、幅広い診療能力を有する小児科医になるための研修が可能です。
都留市立病院
郡内の小児医療の中核病院
当院小児科は常勤医3名で、指導医2名の体制で、新生児から学童まで、そして風邪から特殊疾患まで様々な患者さんを診察しています。富士東部小児初期救急センターへの出務、二次輪番病院としての当直業務、そして、2019年度からは産婦人科で出産も再開され、病的新生児の診療も行っています。
研修体制としては指導医2名で指導だけでなく、小児科専攻医に必要な360度評価やmini-CEXによる評価も行っています。
山梨厚生病院小児科
国中地域の中核病院
常勤医6名で診療を行っています。小児科の急性疾患から慢性疾患までを幅広く対応しています。山梨県国中地域の二次救急輪番制度に参加し、夜間休日の緊急入院患者にも対応しています。地域小児の健康診断・予防注射から、そして専門外来での慢性疾患(アレルギー、内分泌、神経、血液など)の長期フォローまで幅広い研修が可能です。
国立病院機構甲府病院小児科
周産期医療と重症心身障害児医療を併せ持つ
1)未熟児を中心とした周産期医療を併せ持つ小児科診療(NICU3床、新生児に対応できる小児病床 6床、小児病床に6床の合計15床)を行っています。一般小児医療を実施するとともに、輪番2次救急にも対応し小児救急医療も担っています。
2)重症心身障害及び小児神経疾患に関する専門医療
重症心身障害児(者)(重度の知的障害と重度の身体障害を併せ持った方々)のための専門病棟を3病棟(132床)有しています。また、在宅で療養を続けられている重症心身障害児(者)のために、短期入所事業や、専門外来を設けています。さらに小児神経疾患に関する専門外来を設けています。
諏訪中央病院小児科
屋根瓦式の教育システム
諏訪中央病院のある長野県茅野市は、周辺に八ヶ岳や蓼科、車山などがあり観光地としても知られています。 常勤医は3名です。多くの前期研修医を受け入れており、出席自由の昼食をとりながらのカンファレンス、毎週行われる医局勉強会など多くの学びの場が提供されています。屋根瓦式の教育システムが構築され、診療科間の垣根は無きに等しく、他科連携はスムーズに行われています。普段の診察以外にも主体的に必要だと思うこと、やりたいと思うことを認めてくれる病院風土があります。
韮崎市立病院
峡北地域における小児医療の中核病院
峡北地域の中核病院として、小規模ながら急性期から慢性期まで幅広い診療を行っています。小児科については、肺炎、気管支喘息発作、胃腸炎などの治療に加え、神経、腎臓、内分泌、循環器の専門外来もあります。
地域に愛され信頼される病院を作るを病院理念とし、安全で質の高い医療を提供しています。
富士川病院
峡南地域で唯一の小児科入院施設
富士川町、市川三郷町などの峡南地域では唯一の小児科入院施設です。小児科一般診療、予防接種及び乳児健診の他、内分泌専門外来を設置しています。
また、小児二次救急対応が可能な病院として、夜間の救急対応をしています。
市立甲府病院小児科
国中地域の中核病院
地域の中核病院の小児科として幅広い診療を行っています。常勤医5名で、急性期疾患を主体に地域からの紹介を中心とした入院患者を受け入れています。輪番2次救急にも対応し小児救急医療も担っています。またNICU6床があり、病的新生児の診療も行っています。院内学級もあるため、ネフローゼ症候群、腎炎、膠原病などの慢性疾患の入院中の利用が可能です。
甲府共立病院小児科
地域医療の多様な研修が可能
小児科医と小児専門の看護チームが治療に携わり、新生児から18才未満まで、幅広い診療を行っています。甲府市内の1次から2次まで多様な疾患を多く受け入れており、地域医療の研修を積むことができます。
発達障害児に対して、特診外来と小児リハビリのセラピストによる発達診断と訓練を行なっています。
あけぼの医療福祉センター
医療と療育を支えるリハビリテーション中核施設
当センターはその名称の通り、「医療機関」であると同時に「福祉施設」としての機能も有しています。重症心身障害児・者専門の入所病床が80床と、短期入所用の定床が8床あります。そこでは、医師や看護師だけでなく、リハビリテーションスタッフや支援課スタッフが連携して、入所児・者の「療育」を支えています。
医療面では、常勤医は小児科4名と整形外科2名と少数ですが、病棟だけでなく、小児神経と小児整形外科の専門外来を予約制で行っています。とくに、小児に対するリハビリテーションについては県内の中核施設として、全県からの患者さまを受け入れています。
塩山市民病院
ワークシェアでの勤務体制
塩山市民病院は甲州市とその周辺地域小児の一般外来診療を中心に、健康診断・予防接種等を行っています。入院加療が必要な症例は山梨厚生病院に紹介し、連携した診療を行っています。当院ではワークシェア体制での勤務も取り入れており、子育てや家族の介護などの状況に合わせてワークライフバランスのとれた働き方を目指しています。
静岡県立こども病院
各専門領域の経験豊富な専門医
静岡県立こども病院は、静岡県の小児医療の3次医療機関と位置づけられており、各領域に経験豊富な専門医がおり、高度な専門医療に対応しています。
山梨大学小児科との連携プログラムでは、3年目に、多彩な診療科の中から、選択して半年間の研修を行います。
長野県立こども病院
長野県の小児周産期医療の最後の砦
長野県内で発生した小児患者さんの2.5 次~3 次に対応する医療機関として、「長野県の小児周産期医療の最後の砦」として、また最先端の医療を提供する施設としての役割を担っています。
山梨大学小児科との連携プログラムでは、研修3年目に、主として小児集中治療部での研修を3~6カ月間行います。
甲府市小児救急医療センター
小児科専門医が全員で参加する救急センター
地域や施設の枠を超えて小児科専門医が全員で参加する救急センターは、全国に先駆けて画期的なもので、「山梨スタイル」と呼ばれています。
「山梨スタイル」発足と発展
2005年、山梨県の事業である小児初期救急医療センターが発足しました。小児科専門医が夜間と休日にセンターへ交代で勤務し、山梨県内全域の小児内科系疾患の初期救急診療に当たるシステムです。地域や所属の垣根を越えて、県内の小児科専門医のほぼ全員(甲府センターでは開業医約30名、勤務医約50名、総計約80名)が登録してくださり、センター事業はスタートしました。
それ以前には、夜間と休日の小児の救急診療はそれぞれの医療機関で個別に行われていました。ほとんど全ての病院や診療所で、大勢の小児科医が連携も少ない中、単独で24時間病児へ対応していたのです。
病院勤務医は病棟に入院中の患児や救急搬送される重症児に対応する以外にも時折来院する極軽症な感冒の診察などにも追われ、診療所の開業医は個人的な生活の時間が守られることもなく1年365日診療から離れることはできませんでした。夜間休日の小児救急は数少ない小児科医全員の献身的な診療と奉仕に支えられていたのです。しかし、医師の消耗との戦いの上に成り立つ効率的ではない救急診療システムは、近年では徐々に実情にそぐわなくなり、うまく機能しなくなってきていました。夜間に親御さんがお子さんの診察先を探して奔走するようなことも少なくなかったようです。センターの発足は必要であり、必然でした。地域や施設の枠を超えて小児科専門医が全員で参加する救急センターは、全国に先駆けて画期的なもので、「山梨スタイル」と呼ばれています。
夜間と休日に具合の悪くなった小児は、こども救急ガイドブックや#8000電話相談などにガイドを受け、医師の診察が必要と判断された場合はまず小児初期救急センターを受診します。
センターは現在、甲府と富士吉田の2施設があります。センターでスクリーニングされ、更に入院等を含む加療が必要と判断された場合は、輪番の小児科二次病院(甲府地区4病院、郡内地区3病院、他2病院)へ紹介されます。甲府センターの診察時間は、平日19時から翌朝7時まで、土曜15時から翌朝7時まで、日曜祝日9時から翌朝7時まで。受診数は現在1センター当たり年間2万件弱です。外科系疾患への対応や小児人口や医師数の推移など今後も調整が必要な細やかな問題はありますが、今後も「山梨スタイル」が継続することを願っています。
富士・東部小児初期救急医療センター
入院病床のない一次救急診療所
当地域には山梨赤十字病院、富士吉田市立病院、都留市立病院の3つの大学関連の二次病院があり、当番が決まっており、頼もしい先輩小児科医がバックアップしてくれます。
富士・東部小児初期救急医療センターは夜間・休日に急病を発症した小児を診察する入院病床のない一次救急診療所として富士吉田市に平成20年10月、甲府のセンターから遅れること4年後に開設されました。
山梨県内の勤務医・開業医約90人の登録小児科医の1人がセンターに詰めて原則1人当直の態勢で365日診療しています。診療時間は甲府のセンターより短く、深夜帯は診療していません。
診療内容は受診した患者を診察して薬の処方と救急処置(点滴、吸入など)を行い、翌日かかりつけ医を受診するよう指示します。入院が必要となる患者は二次当番病院に紹介します。一次救急ではトリアージ能力が必要不可欠です。当地域には山梨赤十字病院、富士吉田市立病院、都留市立病院の3つの大学関連の二次病院があり、当番が決まっており、頼もしい先輩小児科医がバックアップしてくれます。
開設して10年が経ちましたが、地域住民にはセンターは認知され評判もよく利用率が高いです。また当地域の少ない小児科医の時間外診療の削減と労働環境の改善、ひいてはQOLの向上にも寄与しています。
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教室お知らせ
- 2024.08.14
第163回日本小児科学会山梨地方会
- 2024.06.05
保坂郁実先生が令和5年度山梨県医師会
- 2024.05.14
第23回山梨県小児医療セミナー【開催
- 2024.02.14
第162回日本小児科学会山梨地方会
患者様へのお知らせ
- 2022.10.14
- その他
18トリソミーの子どもたち写真展 ~
- 2022.08.29
- 病棟
入院受け入れ制限に関して
- 2022.05.07
- その他
山梨県から、こどもの心肺蘇生法動画が
- 2022.01.24
- 緊急のお知らせ
山梨大学小児病棟、NICU、GCUへ